商品はフランスで発行されたサリュードール金貨です。
1422年からフランス北部の大部分はイングランド王ヘンリー6世(ランカスター家)の支配下にありました。
大天使ガブリエルが聖母マリアに受胎告知を伝えている場面が描かれた名品です。
受胎告知はダヴィンチを含めた古今の著名な芸術家によって絵画、彫刻のモチーフとして用いられ、多数の名作が遺されています。
しかし、コインのデザインとしては極めて例が少なく、中世のハンマー式打刻によって製造された優雅な出来栄えを示しているこのサリュードール金貨は、フランス、そしてヘンリー6世はイギリス王であったため、イギリスにおいても高い人気を誇ります。

このサリュードール金貨の発行時にヘンリー6世はまだ生後2歳(ヘンリー5世の急逝により王位継承)えであり、更にイギリス、フランス間の百年戦争の最中でした。
王を「神の子」と称することは全世界の君主国では普通であり、受胎告知とイギリス紋章(ランカスター王朝紋章)とフランス紋章が描かれていることは幼児であっても王であるヘンリー6世の権威とイギリス、フランス両国の正当な王位継承者であることが強調されています。

France
1SalutD'or
N.D. (1423)
Henri VI (1422-1453)
Mint:Paris
Fr301 Dup443A